日記。

日々の徒然を書き留めてます。

インド旅行3-7

3/4(土)21:00〜
ニューデリー駅の1つ隣のニザムディン駅というところに到着。チケットの都合上ここが終着駅となってしまった。当然日もとっぷり暮れている。インドは治安が良くないと聞くが、それは詐欺などの非物理的な危険なのであって、強盗などの暴力沙汰はあまり聞いたことがない。なので、1時間以上かかるかもしれないがゲストハウスまで歩いてみようと思い、リキシャドライバーのしつこい勧誘を無視し駅を出発した。ところどころおしっこのニオイがきつかったが、まあなんとかなりそう。地図を確認しようとスマホを取り出したとき、後ろから『バウッ!!』と吠えられた。背中から冷や汗が垂れる。野良犬だ。昨日の時点で野良犬たちとはところ構わず出くわしてきたが、大体は寝ているかボーッとしているかで危険とは程遠い存在だと思っていた。しかし、今。狂犬病保有しているかもしれない野良犬が僕の後ろに立っている。振り向くと目が合った。この時、僕は十数年振りに恐怖を味わわされた。一般的には生きている人間が1番怖いと言われているが、僕はヒトは話せば分かってくれるか、最悪でも刺し違えられる生き物だと思っている。しかしこの犬は違う。何を考えているのかも分からないし、第一殺傷能力があるではないか。僕が動くと犬も動く。ジリジリと距離を詰められる。くっ、ここまでか・・・と、諦めかけたそのとき、目の前にリキシャが通りかかった。「Hey!!」僕が大声で呼ぶと、リキシャは数メートル進んで停車した。まさに救いの船。よしっ!僕は気を取り直して「ウぅ〜!」と犬を威嚇し、怯んだ隙にリキシャに飛び乗った。幸いなことに他のお客さんはいない(後で知ったのだが相乗りとか全然ある)。行き先だけ指定しすぐに発車してもらう。ブロロロロロ。後ろを振り返ると、威勢の良かった犬っころがみるみる小さくなっていくのが見えた。へへっ、ざまあ見ろってんだ!f:id:gaku-diary:20230316083940j:image
命からがら宿に到着。まだ19歳のドライバーだったので、奮発して500ルピーを渡した。そしたらまだ足りねえよ、みたいな感じで首をかしげられた。確かにあのときは助かったが・・・。インド人リキシャドライバーは謙虚さと感謝というものを知らない。黙らせてやる。もう500ルピーを上乗せし、これ以上何か言われる前にその場を去った。
今日はあと寝るだけ。冷たいシャワーを浴びて硬いベッドに入る。明日は丸1日何もないのでゆっくり寝られそう。ふうーーっ。大きく深呼吸したとき、あることを思い出した。リュックの奥からそれを取り出した。ガンジャ大麻だ。昨日の朝に勢いで買ってしまったがまだ手をつけていない。せっかく買ったんだからインドにいる間に試したいが、あいにくタバコの紙とフィルターが無いので吸うことはできない。うーむ。僕に売った青年は食べてもいいと言っていたな、そういえば・・・。僕は乾燥された葉っぱをひとつまみ手に取り、えいやっ!と、水とともに喉に流し入れた。効果はいつ来るか、そもそも来ないかも分からないので飲み込んだ事実を忘れるかのようにイヤホンをつけ音楽を聞きながら就寝しようとした。 その5分後だろうか、最初の効果が感じられた。まず、横になって寝ているのにフラつく感覚がある。基本僕はお酒を飲んでも全く酔わないタイプだが、おそらく今は気持ちよく酔っている状態なのだろうと思った。脳にちゃんと作用していることが手にとるように分かる。う〜ん、でもこんなものなのかな。少し残念だが、実績解除できたと自分に言い聞かせ再び眠りにつこうとした。 1時間後。いや、正直時間感覚があやふやだからどのくらい経過したのかも把握できていない。本当の効果が始まった。その時僕は寝返りを打とうと体を横にした。しかしその瞬間、体中の血液がスライムになったかのように、ネットリと表皮を刺激しながら下に落ちた感覚がした。ボトン。え?なんだコレ?そう思うのも束の間、今度はイヤホンをしているはずなのに肝心の音楽は全く聞こえず、代わりに豪雨のような雨音が耳のすぐ近くで聞こえてきた。キタキタキタキタ・・・!!!!これが幻聴というものなのだろう。次第にそれは軍靴の足音になり、最終的には大勢の話し声になった。この間わずか数秒だろう。(ここで恐怖心を覚えてしまうといわゆるバッドトリップに陥ってしまうのかもしれないが、幸いなことに僕はそうならなかった。)また元の姿勢に戻そうと体を動かすと、今度は重力の方向がしっちゃかめっちゃかになった。平衡感覚の喪失だ。しかしこれには身に覚えがある。そう、インフルエンザにかかった時のアレだ。ただ、熱はないので辛くはない。後日友人に感想を聞かれたときは辛くないインフルエンザだと答えておいた。 まるでジェットコースターに乗っている気分だ。しかし、フワフワしつつも自分を俯瞰することだけは辞めてはいけない。しばらくその状態が続いて、久しぶりにイヤホンから音楽が聞こえてきた。ただ、僕の知っているものではなかった。おっっっそろしく高音質だったのだ。エコーというか、音の拡がりが半端じゃない。脳髄の深淵にまで届くかのような染み渡り方だ。体そのものが耳になった感覚。五感が研ぎ澄まされるって聞いてたけど、このことだったのか。かつてない経験に体が震えた。ちなみにその時聞いてた音楽はHoneyWorksの「可愛くてごめん」だ。同じプレイリストにクラシックとか入ってたのに、くそ・・・!!