日記。

日々の徒然を書き留めてます。

そりゃデカくなってるよ。

11/5(土)

昨日は祖父の家に泊まった。特段これといった理由はないが、周囲からしたらこの家に誰かがいることは"望ましいこと"らしい。人が居なくなった家屋は荒廃しやすいと言うし(空気の循環が起こらないから傷みやすい)、祖父が独りにならなくて済む、といった精神面での利点が大きいとのこと。まあまあそれくらいなら、と僕も二つ返事で祖父のベッドでいびきをかいていた。

生活リズムがバグったおかげで朝早くに目が覚めた。灰皿を取り出し、ベランダにいる雀を眺めながら一服していると母がやってきた。急いで灰皿を隠し、何食わぬ顔で迎える。僕が喫煙しているのは周知の事実だが、母の前で吸う勇気はまだない。母がお線香をあげていると父も到着。今日は寛永寺に行って供養の手続きを進める予定だ。

供養に関しては、祖父の希望通り永代供養にする。永代供養とは、何らかの理由で墓参りに行けない遺族に代わり霊園や寺院が遺骨の管理・供養をしてくれる埋葬方法のひとつだ。別に墓参りくらいなんぼでも行くわい!と思っていたがそれなりの理由はある。まず、祖父の子供(母と叔母)はどちらも結婚し姓が代わっていること。次に親族の1人が新興宗教にハマり本家の墓を教団に寄付してしまったこと。つまり、祖父が新しくお墓を建てても次に入る人はいないのだ。ちなみに永代供養ではずっと遺骨を管理するのではなく、こちらが指定した年数を経たらその後は他の遺骨とまとめて一斉供養するらしい。

てなわけで両親と電車に乗り込む。タイミングよく3つ連続で席が空いたので僕を真ん中に着席した。この歳になると両親と出かけても恥ずかしいという感情は湧かないものだ。そう思っていたが、挟まれて座ったときめちゃくちゃ安心感があることに気づいた。なんだこのポジションは。眠くなってきた。僕の中の幼児性は衰えることを知らない。もう怖いよ。

鶯谷駅のラブホが乱立してないほうの出口で降り、寛永寺へ向かった。到着後、話が長くなりそうだったので途中で抜け出し境内を散策する。小さな松が植えられてたりと、日本庭園のような立派なお墓が並んでいた。ちくしょ〜。一生埋まることのない経済格差を感じたので、もしもボックスを手に入れた時ここをドッグランにしてやると決意。f:id:gaku-diary:20221108082108j:image

上野公園を突っ切って駅に向かっていると、前を歩いている中年カップルの会話が聞こえてきた。

男「いやー、残念だったね。パンダめちゃくちゃデカかったね。」

女「うん・・・」

男「まあ元気だしなよ。お母さんと一緒に暮らしていたし、まだ子どもだよ。」

女「でもぉ〜」

母も盗み聞きしていたらしく、2人でニヤニヤしてしまった。なんていうか、あまりに平和な会話すぎて愉快だった。こっちが先月祖父を亡くしさっきまで寺院にいたのに対し、前の女性はパンダが思ったよりもデカかったことにショックを受けていた。なるほど、幸も不幸も自分次第だな。何気ない会話に救われた気がした。てかお姉さん、シャンシャン生まれたのは2017年だよ。そりゃデカくなってるよ。