日記。

日々の徒然を書き留めてます。

インド旅行9-1

3/10(金)00:00〜
出国まであと4時間。僕のインド旅行も終わりを迎える。と言っても経由地であるスリランカで11時間くらい待たなくちゃいけないから、なんとも締まりの悪い旅行になってしまった。待っている間、空港内の数少ないカフェをはしごしたりデリー駅で買ったIKIGAIを読んだりして時間を潰した。f:id:gaku-diary:20230424211416j:image
午前2時ごろ、ようやく出国審査を受けられる時間になった。振り返って日記にすると伝わりにくいが、今回の旅行では待ち時間に苦しめられた。基本的に僕は待つことに慣れている。しかしこれは日本に居る時の話で、異国にいるのとは訳が違うと知った。そもそも落ち着いて他のことに時間を潰せるのはそこが安心できる環境だからだ。インドにいる間はずっと(強弱の差こそあれ)アドレナリンが出ていたので、どこかで腰を降ろして一息つく、なんてことはできなかったのだ。漫画にすると「ー◯時間後ー」で片付けられてしまう、コマとコマの間にある語られない箇所。ここに心労が詰まってんだよ。
出国ゲートではとんでもない人の多さに圧倒された。インド国内ではどこに行っても人口密度に悩まされ続けてきたが、間違いなくここがぶっちぎりの1位だ。ただ、出国管理局の人が目にも止まらぬ手さばきで処理してくれたおかげで、見かけほど並ばなくて済んだ。あれこそ”業”だろう。
搭乗ゲートまで行くともう安心。止まっている時間こそあれど、ここまでの旅程項目はあくまで”移動”だ。ガンジス川からこのデリー空港まで移動してきて気付いたが、近づくに伴って清潔度が段違いに上がっていく。それはもう劇的に。ここには、常に視界の隅にいた裸足の人も極端に痩せ細った人も手や足の無い人もいない。寝転がっている野良犬も、立ち止まっている牛もいない。うんこだってどこにも落ちていない。代わりにあるのはピカピカの床と、ライトで照らされている免税店のお酒とブランド品の数々だ。混沌から秩序へ。これほど分かりやすい変化もないだろう。どっちのほうが落ち着く?そりゃあこっちだ。盗みの心配はしなくていいし、変なやつから声かけられないし、なにより臭くない。でも、この環境を作るためにロードローラーみたいな大きな力が無数の小さな声と芽を潰してきたのだろう。そう思うと今度は、何食わぬ顔で相場の何倍ものチップを要求したバラナシの青年が懐かしくなった。f:id:gaku-diary:20230424211529j:image