日記。

日々の徒然を書き留めてます。

河童

5/26(木)

すごいな。今日も会社でやることが無さすぎる。労働時間のうち5/7が自習という、とんでもスケジュールが組まれていた。この日記も自習時間に会社で書いている。

スマホは触れないがネットは使えるため、時間のつぶし方にいよいよ困らない。最近はまっているのは青空文庫といわれるサイトで、著作権が消滅した作品を無料で読めるネット上の図書館みたいなところだ。

今日は芥川龍之介の「河童」を読んだ。以下概略および感想。

この話はある精神科の患者から話を聞くシーンから始まる。患者の男は誰にでも決まった話を延々と続けるそうな。

結論から言うと、ふいに河童の世界に迷い込んだ男がそこでの暮らしぶりや考え方に影響を受けて、十分馴染んだ後現実世界に戻ってきてしまう、、、、という内容。

河童の世界は人間の世界とかなり近い文明を持っているが考え方や風慣習はかなり違う。人道的な側面もあるかと思えば、仕事をクビになった河童が食用の肉として殺されてしまうといった非道な政策もある。

感性も異なる。人間が真面目に思うことを河童は面白く思うし、逆もまた然り。痛快だと思ったのは河童たちが人間の慣習(作中に出てきたのは産児制限)について男と話すとき、理路整然とからかってくるところだ。痛いところをひたすら突かれるのでこちらが何も言い返せず喉につまることが多々あった。

そのうち男は河童の世界にいることが憂鬱になりどうにか元の世界に戻ることができたのだが、早発性痴呆症(今でいう若年性アルツハイマーかな?)と診断され結局精神病院にぶち込まれて話は終わる。

読んでいて太宰治の「人間失格」と構図が似ていると思った。まず主人公が最終的に狂人になってしまうところ(呼ばれてしまうところ)。二つ目にその狂人から見る世界観に妙な説得力があるため、狂っているのがどっちかわからなくなるところ。

理屈を通すことは一見崇高な行いかもしれないが、愚直に理屈をこねまくるとヘンテコな世界観に繋がってしまうのではないか、と思った。

今日も良い、甘美な時間を過ごした。早く俺をクビにしろ。